ワークフローの定義 (Definition of Workflow)
ワークフローの定義(DoW: Definition of Workflow)とは、カンバンシステムのメンバーが特定の状況下で共有する、価値のフローに関する明示的かつ共通の理解である。カンバンの根幹をなす基本概念であり、価値がシステム内を移動し提供されるプロセスを明確にすることで、システム全体の最適化や継続的な改善を推進する基盤として機能する。また、これを可視化したものがカンバンボードである。DoWには、価値単位である作業項目、一貫した開始・終了点、WIPの制御方法、明示的なポリシー、サービスレベル期待値(SLE)などの構成要素が含まれる。文脈に応じて追加要素を導入可能であり、メンバーが連携して価値フローを制御するための前提条件となる。KGO(Kanban Guide Ontology)では kgo:DefinitionOfWorkflow として表現され、必須要素の欠落を検証ルール K6 で検出する。
ワークフローの定義(DoW: Definition of Workflow)は、カンバンシステムにおける他のすべての要素が依存する基本概念であり[1]、これを可視化したものがカンバンボードである[1]。価値がシステム内を移動し提供されるプロセスを明確にし、システム全体のフロー最適化を実現する基盤および継続的な改善の基準として機能するとともに[2]、メンバーが連携して価値フローを制御するための前提条件となる[2]。
Kanban Guide 2025 は、カンバンシステムメンバーが「少なくとも」以下の要素をすべて用いて DoW を作成する必要があると定めている[1]。
- 作業項目(Work Items)の定義: ワークフローを移動する個々の価値単位の定義[2][1]。
- 開始と終了の定義: 作業項目に応じた一貫性のある「開始」点と「終了」点の定義[2][1]。作業項目によっては、ひとつ以上の開始点や終了点がある場合もある[1]。
- 状態の定義: 作業項目が開始から終了までの間のフローを示すひとつ以上の状態の定義[1]。開始点と終了点の間にある作業項目は「進行中の作業(WIP)」とみなされる[1]。
- WIP(進行中の作業)の制御方法: 開始から終了までの間の WIP の制御方法の定義[2][1]。
- 明示的なポリシー: 作業項目が開始から終了までの各状態をどのように流れるかについての明示的なポリシー[2][1]。
- サービスレベル期待値(SLE): ひとつの作業項目が「開始」から「終了」までに完了する見込み時間(予測)[2][1]。過去のサイクルタイムのデータが存在しない場合は、十分な履歴データが集まるまで最善の推測で代用する[1]。
これらがすべて適用される限り、実装の順序は重要ではない[1]。さらに、文脈や必要性に応じて、価値基準、原則、ワーキングアグリーメントなどの追加要素を含めることができる[1]。また、チームや状況に応じて複数のワークフローの定義を使い分けて運用される場合もある[2]。スクラムチームがカンバンを併用する場合、ワークフローの定義の範囲はスプリントやスプリントバックログの範囲を超える可能性がある[3]。
KGO における表現
Section titled “KGO における表現”KGO は DoW を kgo:DefinitionOfWorkflow クラスとして定義し、Kanban Guide 2025 の必須要素を次のプロパティで表す。
| 必須要素 | KGO プロパティ |
|---|---|
| 作業項目の定義 | kgo:definesWorkItemType(kgo:WorkItem またはそのサブクラス) |
| 状態の定義 | kgo:definesState(kgo:ToDo / kgo:InProcess / kgo:Done) |
| WIP の制御方法 | kgo:hasWIPLimitPolicy(WIP 制限ポリシー) |
| 明示的なポリシー | kgo:hasExplicitPolicy(kgo:ExplicitPolicy) |
| SLE | kgo:serviceLevelExpectation |
「開始」と「終了」のタイミングは、kgo:ToDo から kgo:InProcess への遷移が開始、kgo:Done への遷移が終了として状態クラスで構造的に固定されているため、専用のプロパティは設けていない。カンバンボード(kgo:KanbanBoard)から DoW へは kgo:visualizes で対応付ける。
- 所属タグ: Kanban Workflow Practice
- カテゴリー: Kanban & Flow
オントロジー上の位置
Section titled “オントロジー上の位置”- 上位クラス(直接の親から順に): 未定義
- 兄弟クラス: 未定義
- 他の概念との関係: 未定義
- 関連する検証ルール: K6、K8
- 関連CQ: 未対応
- 原文: 未定義
- オントロジー階層: オントロジー階層で見る
Process Constraints (プロセス制約)
Section titled “Process Constraints (プロセス制約)”KGO (Kanban Guide Ontology) に基づく、この概念に関係する制約です。各制約の括弧内は、その制約が対象とするクラスです。
- K6 (DefinitionOfWorkflow): ワークフローの定義(kgo:DefinitionOfWorkflow)は、Kanban Guide 2025 が「少なくとも」用いるべきと定める必須要素のうち、ワークフローを移動する価値単位である作業項目の定義(kgo:definesWorkItemType)、作業項目が開始から終了までの間に取る状態の定義(kgo:definesState)、開始から終了までの間の WIP の制御方法(kgo:hasWIPLimitPolicy)、作業項目が各状態をどのように流れるかについての明示的なポリシー(kgo:hasExplicitPolicy)、サービスレベル期待値(kgo:serviceLevelExpectation)を、いずれも 1 つ以上持たなければなりません。欠けている要素ごとに DoW の完全性違反として不適合になります。「過去のサイクルタイムのデータが存在しない場合は、最善の推測で代用することができる」という記述は SLE の値の出し方を緩めるものであり、要素そのものの省略を認めるものではありません。
- K8 (KanbanBoard, DefinitionOfWorkflow): サービスレベル期待値(kgo:serviceLevelExpectation)に日数があり、確率(kgo:serviceLevelPercentile。何 % の項目がその日数で完了するか)が組になっていない場合、SLE の形の違反として不適合になります。Kanban Guide 2025 の SLE は「期間」と「確率」の組(例: 85% の項目が 8 日以内に完了する)です。SLE の有無は K6 が、SLE の形は K8 が見ます。確率は既定値で埋めません。この判定は入口版の点検(review_board の kanban)で行い、SLE が渡されないときは評価されません。
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Kanban Guide 2025 — 「少なくとも、 カンバンシステムメンバーは以下の要素をすべて用いて DoW を作成する必要が ある。」「DoW を可視化したものは、カンバンボードと呼ばれる。」(ライセンス: CC BY-SA 4.0) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14
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Open Guide to Kanban — 「- ワークフローの定義(Definition of Workflow): カンバンシステムメンバーが、そ の状況下で共有するフローに関する明示的な共通理解のこと。」(ライセンス: CC BY-SA 4.0) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
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Kanban Guide for Scrum Teams 2021 — 「『ワークフロー』の定義の範囲は、スプリントやスプリントバックログの範囲を超える 可能性があることに注意してほしい。」(ライセンス: CC BY-SA 4.0) ↩