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出社とリモートが混在するチームで、スクラムのイベントやチームづくりをどう運営するか?

実践者の問い(pq-10)。取り込み済みの文献のうち 6 本から拾った 18 件の事例と知見にもとづく。ここに無い打ち手が存在しないという意味ではない。

出社とリモートが混在するチームで、イベントやチームづくりの運営の仕方を比べて効果を確かめた文献は、今回読んだ範囲では見つかっていません。事例の多くは、参加者の受け止めや著者の整理です。出社と遠隔が混在するチームの会議の開き方を具体的に調べたのは、週 2 日出社の 1 社の 15 チームを調べた研究だけです。この会社のチームには専任のスクラムマスターがおらず、一方の部門はスクラムとカンバンを組み合わせていました。ほかは、全員が在宅だった時期の研究や、遠隔とハイブリッドを区別しない研究、完全リモートとハイブリッドの人をまとめて尋ねた調査です。その 1 社の研究では、チームのふりかえりは対面で開くのが通例でハイブリッドはまれで、対面のふりかえりを好むと話したメンバーもいました。著者は、話し合いや発案が要る会議は対面で、情報共有の会議は遠隔で開き、出社日を会議で埋めずに立ち話の時間を残すよう勧めています。デイリーは日によって出社と遠隔が混ざる形で開かれ、そろって出社しない日にこそ大事だと語られました。出社日を部門でそろえるか、チームで決めるかは分かれ、そろわない 2 日目の出社に意味を感じないという声もありました。チームづくりでは、出社日ごとに部門で集まるコーヒーの時間や、自由席でも毎回同じ席に集まって座る工夫が報告されていますが、効果は測られていません。 COVID-19 の流行下で多くが在宅だった時期の別の調査では、出社と在宅が混ざる会議は、全員が出社か全員が遠隔のときよりうまくいかないと受け止められ、その場にいる人の雑談だけで情報が回るおそれが指摘されています。出社を続けた人の負荷が高くなり、出社しない人に苛立った例もあります。全員が遠隔だったチームに週 1 日の出社を足した事例や、対面でビジョンを話し合うワークショップを開いた事例は好意的に評価されましたが、ほかの対策と同時に行われ、それぞれの効果は切り分けられていません。全員が在宅だった時期の研究や、遠隔とハイブリッドを区別しない研究では、遠隔のイベントの適応が報告されています。デイリーを延ばしてチームの交流にも使う、計画の前に準備の会を設ける、チームづくりの会を設ける、といったものです。一方で、遠隔ではレビューとふりかえりが難しいという調査があり、ふりかえりのゲーム化には意見が分かれています。

出社日の 2 時間の会議で専門家がふさがり、開発者が話しかけられないという不満を受けて、その会議を対面と遠隔の週替わりにした [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “出社日の 2 時間の会議で専門家がふさがり、開発者が話しかけられないという不満を受けて、その会議を対面と遠隔の週替わりにした [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、火曜と木曜を出社日にしたハイブリッド勤務の部門。役割ごとの実践コミュニティのうち、アーキテクチャのコミュニティは、毎週 2 時間の会議を開いていた。会議に出ない開発者から、出社している日に専門家が会議にふさがっていて話せない、という不満が出ていた。
  • やったこと: アーキテクチャのコミュニティは、毎週の会議を、1 週は対面、次の週は遠隔と交互に開くことにした。
  • 起きたこと: 著者は、この交互の開き方で、開発者が以前に挙げていた困りごとに対処したと書いている。開発者が実際に専門家と話しやすくなったかは測られていない。
  • 注意点: 1 人のスペシャリストの語りに基づく例である。対処の結果は著者の記述だけで、前後の比較はない。チームの中の会議ではなく、チームの外の専門家の会議の例である。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / F. Community Meetings / 2) Closed CoP meetings。確認の根拠: 原典
  • 原文: “So we have it like this; one week face-to-face, and one week remote.”

デイリーは出社と遠隔が日によって混ざる形で毎日開かれ、そろって出社しない日には、困りごとを確かめ合う場として特に大事だと語られた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “デイリーは出社と遠隔が日によって混ざる形で毎日開かれ、そろって出社しない日には、困りごとを確かめ合う場として特に大事だと語られた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、週 2 日の出社を基本とするハイブリッド勤務をしている 15 のアジャイルチームを、27 人へのインタビューで調べた単一事例研究。インタビューしたチームはすべて、毎朝デイリーを開いていた。長さは、人数と話題によって 5〜45 分だった。毎日開くので、会議の形(出社・遠隔・ハイブリッド)は日によって変わった。
  • やったこと: 出社したメンバーは、たいてい予約した会議室からデイリーに加わった。 4 チームだけは、出社した日も自席から加わった。そのうちあるチームのメンバーは、全員がヘッドセットを使って周りの雑音を防いでいると話した。遠隔やハイブリッドのときは、多くのチームがカメラを付けた。あるチームのメンバーは、会社の決まりではなく、チームで決めたことだと話した。カメラを使わなかったのは 3 チームで、通信の悪いメンバーがいることや、全員が画面共有の Jira のボードを見ていることを理由に挙げた。進行は、7 チームでプロダクトオーナーが、4 チームでチームのメンバーが担った。
  • 起きたこと: 5 人が、デイリーを特に役に立つ会議と述べた。そのうち 1 人は、出社しない日こそ、朝にチームで障害や必要な助けを確かめ合う時間をとるのがとても大事だと話した。デイリーの形(出社・遠隔・ハイブリッド)によって、デイリーの役立ち方がどう違うかは調べられていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 語られたのは参加者の受け止めである。チームには専任のスクラムマスターがいない。 1 社の 2 部門だけの調査で、結果が当てはまるのは似た状況に限られる。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / D. Agile Team Meetings / 1) Daily meetings。確認の根拠: 原典
  • 原文: “These couple of days when you are not in the office, you really take the time in the morning to discuss with your team if you have any blockers or if you need any input.”

自由席の制度の下でも、多くのチームが毎回同じ席を予約して実質的な固定席にしており、自席から会議に出たり、その場で話し合ったりしやすくなっていた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “自由席の制度の下でも、多くのチームが毎回同じ席を予約して実質的な固定席にしており、自席から会議に出たり、その場で話し合ったりしやすくなっていた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、週 2 日の出社を基本とするハイブリッド勤務をしている 2 つの部門の 15 のアジャイルチームを、27 人へのインタビューで調べた単一事例研究。出社した社員は、予約の仕組みで机を選ぶ自由席の制度だった。調査の時点で、部門はハイブリッド勤務に合わせてオフィスの作り直しを進めていた。
  • やったこと: 自由席にもかかわらず、両部門のチームの多くは、出社したときほぼいつも同じ机に集まって座っていた。ばらばらに座っていると答えたのは 1 チームだけだった。 2 チームは、会議の設備を備えた仕切られた区画で働き、席を移らずにハイブリッドの会議を開けた。
  • 起きたこと: 著者は、多くのチームが毎回同じ席を予約して自由席を固定席に変え、それによって自席からチームの会議を開いたり加わったりでき、その場の話し合いもしやすくなったと整理している。著者は、ワークスペースの設計と自由席の制度は、ハイブリッド勤務での協働と会議に直接影響しうるので、さらに研究が要るとしている。席の決め方による協働の違いは測られていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 著者の整理と参加者の語りに基づき、席の決め方を比べた測定はない。 1 社の 2 部門だけの調査で、結果が当てはまるのは似た状況に限られる。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / B. Office Workspace and Tools / V. DISCUSSION / A. Organizing Recurring Meetings。確認の根拠: 原典
  • 原文: “the majority of the agile teams preferred fixed seating arrangements and had in practice turned the flexible seating system into fixed seating by always booking the same seats for their team.”

出社日を部門でそろえるか、チームごとに決めるかで出社の重なり方が分かれ、そろわない 2 日目の出社に意味を感じないという声もあった [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “出社日を部門でそろえるか、チームごとに決めるかで出社の重なり方が分かれ、そろわない 2 日目の出社に意味を感じないという声もあった [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、週 2 日の出社を基本とするハイブリッド勤務の方針の下、2 つの部門の 15 のアジャイルチームを、27 人へのインタビューで調べた単一事例研究。方針の実施の仕方は、部門によって違った。
  • やったこと: 一方の部門(65 人)は火曜と木曜を出社日に決め、6 つのチームのメンバーは通常その 2 日に出社していた。もう一方の部門(70 人)は 2 日の出社日を柔軟にした。この部門の 9 チームのうち、5 チームはチームで決めた同じ 2 日に毎週出社し(どの日かはチームによって違った)、1 チームは月に 1 日、2 チームは週に 1 日そろって出社し、残る 1 チームはほぼ毎日出社していた。
  • 起きたこと: インタビューを受けた人の多くは、どちらの部門の実施の仕方にも満足していた。 2 日目の出社に意味を感じないと述べたのは 1 人だけで、その人のチームは週に 1 日そろって出社する取り決めだった。その人は、チームの半分が遠隔なら会議はどのみちオンラインになるので、2 日出社するなら全員が同じ日に出るべきで、そうでなければ 1 日で足りると話した。出社日のそろえ方によって、チームの協働や成果がどう違ったかは調べられていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 語られたのは参加者の受け止めで、出社日のそろえ方を比べた測定はない。調査の時点で、ハイブリッド勤務の形は試行の段階にあった。チームには専任のスクラムマスターがいない。 1 社の 2 部門だけの調査で、著者は結論の適用範囲を、ハイブリッド勤務を採る大規模アジャイルの似た状況に限るとしている。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: III. RESEARCH DESIGN / A. The Case Company and Context / IV. RESULTS / A. Office Presence。確認の根拠: 原典
  • 原文: “If we should be here for two days, then maybe everybody should be here on the same days, but otherwise one day is enough.”

出社日ごとに部門全員で 20 分のコーヒーの時間を設け、情報共有と新しい人の紹介、互いを知る場にした [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “出社日ごとに部門全員で 20 分のコーヒーの時間を設け、情報共有と新しい人の紹介、互いを知る場にした [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、火曜と木曜を出社日にしたハイブリッド勤務の部門(65 人、6 チーム)。
  • やったこと: 部門は、毎週火曜と木曜の 14 時に、対面で 20 分のくだけたコーヒーの会を開いていた。出社している日には、全チームが共用の部屋に集まった。
  • 起きたこと: この会は、くだけた情報共有の場であると同時に、新しく来た人を部門に紹介する場、全員が親しくなる場になっていた。あるメンバーは、互いをよく知り、くつろげる 20 分の時間だと話した。著者は、こうした会が部門全体の人のつながりを強める機会になると述べている。チームの協働や結びつきがどう変わったかは測られていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 語られたのは参加者の受け止めで、効果の測定はない。チームの中ではなく、部門全体の会の例である。 1 社の 2 部門だけの調査で、結果が当てはまるのは似た状況に限られる。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / G. Information Sharing Event / V. DISCUSSION / B. Community Meetings in Hybrid Work。確認の根拠: 原典
  • 原文: “So it’s like a relaxing time of 20 minutes where you can get to know each other more and relax a bit.”

スプリントプランニングは、出社日に対面で開くチームと、部門全体の遠隔の場で計画するチームに分かれた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “スプリントプランニングは、出社日に対面で開くチームと、部門全体の遠隔の場で計画するチームに分かれた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、週 2 日の出社を基本とするハイブリッド勤務をしている 2 つの部門の 15 のアジャイルチームを、27 人へのインタビューで調べた単一事例研究。どちらの部門も、全チームが 2 週間のスプリントの共通の予定で動いていた。
  • やったこと: 火曜と木曜を出社日にした部門では、4 チームが、隔週の火曜に出社してスプリントプランニングを開いていた。出社日を柔軟にした部門では、多くのチームが、全チームが隔週で集まる遠隔の「スプリントチェンジ」の場で計画していた。この場では、各チームのコーチが前のスプリントの成果と学びを共有し、その後チームごとのブレイクアウトルームで次のスプリントの作業を話し合った。チームは事前に、成果・学び・次の作業を Confluence に書いて、部門の全員に見えるようにしていた。この部門で、チーム単独のスプリントプランニングを隔週で開いていたのは 1 チームで、主に遠隔の日に開いていた。
  • 起きたこと: あるチームのメンバーは、チームで作業を計画するうえで最も大事な対面の会議はユーザーストーリーの計画で、チームが一緒に座って機能を話し合うべきだと話した。プロダクトオーナーの 1 人は、部門全体の遠隔の場は計画というより「お祝い」に近く、全員に今どこにいるかと、そのスプリントの優先順位の理由を伝える場だと話した。スプリントプランニングは、どれも 30〜60 分だった。どちらの開き方が計画の質に効いたかは調べられていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 語られたのは参加者の受け止めで、計画の質は測られていない。部門ごとの違いは、出社日の決め方だけでなく、開発の進め方(スクラムに近いか、スクラムとカンバンを組み合わせているか)の違いとも重なっている。 1 社の 2 部門だけの調査で、結果が当てはまるのは似た状況に限られる。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / C. Unit Meetings / D. Agile Team Meetings / 2) Sprint planning and refinement。確認の根拠: 原典
  • 原文: “the most important in-person meeting is user story planning, because there the team should sit together and really discuss the feature that they’re working on.”

チームのふりかえりは対面で開くのが通例でハイブリッドはまれだった。遠隔やハイブリッドの会議でカメラを付けるのは有用だと、多数が答えた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

Section titled “チームのふりかえりは対面で開くのが通例でハイブリッドはまれだった。遠隔やハイブリッドの会議でカメラを付けるのは有用だと、多数が答えた [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]”
  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、週 2 日の出社を基本とするハイブリッド勤務をしている 2 つの部門の 15 のアジャイルチームを、27 人へのインタビューで調べた単一事例研究。チーム単位でふりかえりを開いていたのは 7 チームで、ほかの 8 チームは開いていなかった。
  • やったこと: チーム単位でふりかえりを開いていたチームは、会議室か社外で対面で開くのが通例で、ハイブリッドの形は、メンバーが対面で出られないときなどにまれに使う程度だった。あるチームのメンバーは、全員が出社している日に開くか、事前に予約して全員が出社するようにしていると話した。ふりかえりをハイブリッドで開くときは、カメラを必ず使った。
  • 起きたこと: チームのメンバー 4 人が、対面のふりかえりを好ましいと話した。インタビューを受けた 27 人のうち 18 人が、遠隔の会議でカメラを使うのは有用、または良い習慣だと述べた。チームの単位では、デイリーやふりかえりのように互いに話し合う会議で特に有益だという話が出た。一方、全員が共有画面を見るバックログ・リファインメントのような技術的な会議では、あまり役に立たないと受け止められていた。ふりかえりの場所やカメラの使い方によって、話し合いがどう変わったかは測られていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 好みと受け止めの報告で、効果の測定はない。ふりかえりを全員が参加できるよう遠隔で開いたとする別の研究とは結果が異なり、著者もその違いを指摘している。チームには専任のスクラムマスターがいない。1 社の 2 部門だけの調査で、結果が当てはまるのは似た状況に限られる。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / D. Agile Team Meetings / 3) Retrospectives / H. Meeting Preferences / V. DISCUSSION / C. Using Cameras in Meetings。確認の根拠: 原典
  • 原文: “All the teams which carried out their own retrospectives did so either onsite from a meeting room, or offsite, and only rarely in hybrid form”

全員が在宅になったスクラムで、デイリーを延ばしたり会を足したりした一方、ふりかえりと計画では対面より参加が弱まったと語られた [The impact of working from home on the success of Scrum…(2023)]

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  • 状況: COVID-19 のロックダウン中に、在宅でスクラムのソフトウェア開発をしていた 12 人(開発者・スクラムマスター・プロダクトオーナー)への半構造化インタビュー。流行の前と流行中の、典型的なスプリントを比べて語ってもらった。
  • やったこと: 多くのインタビュー参加者が、デイリースクラムが対面のときより延びたと話した。あるチームは、15 分でデイリーを閉じたあと、さらに 15 分を確認の話し合いにあてた。スクラム・オブ・スクラムズのような会や、始業前にくだけた会話をする時間を足した会社もあった。ふりかえりでは、スクラムマスターが、チームの参加を保つために新しいゲームを工夫した。
  • 起きたこと: 著者は、デイリーの延長を一般化できる所見としている。デイリーの後は、チームのほかの人と一日話さない日があるという声もあり、デイリーは進み具合を共有する数少ない場になった。オンラインのふりかえりは、多くの参加者にとって対面ほど心地よくなく、正直に気持ちを出す人間的な面が欠けると話した人がいた。スプリントプランニングも、遠隔では注意が向かず、以前ほど詳しくなくなったという声があった。対面では目の前の人の話を聞く義務感があるが、遠隔では隠れて別のことをしやすい、と話した人もいた。これらの工夫が参加をどれだけ戻したかは調べられていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 全員が在宅を強いられた時期の調査で、出社と遠隔が混在するチームの例ではない。著者自身、ロックダウン中の調査なので、流行の後には一般化できないとしている。 12 人の受け止めで、イベントの変化は測られていない。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: The impact of working from home on the success of Scrum projects: A multi-method study(2023)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 4.1 Qualitative data collection / 4.2.2 Use of Scrum。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Since the pandemic, the team decided to extend the time for daily Scrum.”

遠隔勤務の 2 つのスクラムチームで、週に 1 日、チームで選んだ日にオフィスに集まる取り決めを作り、対策全体が好意的に評価された [Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams(2023)]

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  • 状況: ポーランドにあるシステム会社で、航空会社向けのシステムとモバイルアプリを開発する 2 つのスクラムチームを対象に、COVID-19 で急に遠隔勤務へ移った後の課題を探った 6 か月のアクションリサーチ。最初の診断で、在宅勤務はチーム間の連絡とメンバー同士のその場の会話を妨げる、遠隔ではチームのコミットメントが下がる、新しい社員をチームに迎え入れにくくなる、同じオフィスにいるほうが新しい解決策が生まれやすい、という受け止めが挙がった。
  • やったこと: 新しい人を迎え入れにくい問題に対して、週に 1 日、オフィスに集まって一緒に働くことを提案した。出社の日には、スクラムのイベントの大半を対面で開ける。曜日はあらかじめ決めず、その時々の必要に応じてチームが選んだ。最初の周期では期間が短く評価しなかったが、第二周期でもこの取り決めを続け、3 スプリントの後に評価した。第二周期では同時に、カメラとマイクを入れたままにする、会議の最後に要約する、スクラムの研修、対面のワークショップも行った。
  • 起きたこと: 評価のアンケートでは「週に 1 日オフィスに集まることで、新しい人のなじみが早まった」かを尋ね、第二周期の対策全体への反応は圧倒的に好意的だった。著者は、週に 1 日の出社を求めることは、働き方の柔軟さ、社員のなじみ、対面の協働の質のつり合いをとる健全な妥協だと結論づけた。イベントの大半を対面で開けるうえ、仕事以外の話にそれることもある自然な会話が生まれ、人のつながりが育つとしている。新しい人のなじみや協働がどれだけ変わったかの測定値はない。
  • 注意点: 評価はアンケートと議論に基づく主観的なもので、この取り決めの項目だけの結果は本文に書かれていない。週に 1 日の出社は、ほかの対策と同時に行われ、出社だけの効果は切り分けられていない。全員が遠隔で働いていたチームに、週に 1 日の出社を足した例で、もともと出社と遠隔が混在していたチームの例ではない。対象は 1 社の 2 チームで、遠隔だけで働きたい参加者が対面の良さを低く見た可能性を、著者が限界として挙げている。
  • 根拠: アクションリサーチ/複数チーム。文献: Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams: Lessons Learned Through an Action Research Study(2023)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 3.1 The First Action Research Cycle / 3.2 The Second Action Research Cycle / 5 Conclusions。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Requiring workers to come to the office one day per week constitutes a healthy compromise that balances work flexibility, employee integration, and collaboration quality through in-person sessions.”

チームのコミットメントの低下に対して、プロジェクトのビジョンとチームの要望を話し合うワークショップを対面で開いた [Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams(2023)]

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  • 状況: ポーランドにあるシステム会社の 2 つのスクラムチームが、COVID-19 で急に遠隔勤務へ移った後の課題を、研究者とアクションリサーチで探した。最初の周期の診断で、チームのコミットメントが下がっていることがはっきりしたが、ほかの対策が多かったため、次の周期に回した。
  • やったこと: 第二周期で、プロジェクトとチームの要望を理解するためのワークショップを、オフィスで開いた。マネジメントにとっては、勤続の短い人を知る機会にもなった。チームリーダーとの会でプロジェクトの大きなビジョンを伝え、メンバーは、どの方向に成長したいか、プロジェクトの何が好きで、何が足りないかを話す機会を得た。
  • 起きたこと: 評価のアンケートでは「プロジェクトとチームの要望を話し合うワークショップで、チームの参加が高まった」かを尋ね、第二周期の対策全体への反応は圧倒的に好意的だった。著者は、こうしたワークショップは、プロジェクトとその文脈の共通の理解を生み、チームの結びつきを育て、率直さを促すので、チームのコミットメントに良い影響があると結論づけた。コミットメントの変化の測定値はない。
  • 注意点: 評価は主観的で、ワークショップの項目だけの結果は本文に書かれていない。ワークショップは、週に 1 日の出社やカメラを付ける対策などと同時に行われ、効果は切り分けられていない。全員が遠隔で働いていたチームの例で、出社と遠隔が混在するチームの例ではない。対象は 1 社の 2 チームである。
  • 根拠: アクションリサーチ/複数チーム。文献: Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams: Lessons Learned Through an Action Research Study(2023)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 3.2 The Second Action Research Cycle。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Workshops that discuss the project vision and the team’s needs have a positive impact on team commitment”

遠隔に移ったチームで、デイリースクラムが各自の報告だけになって問題を話す時間も沈黙が続き、スプリントレビューは時々開くだけになった [Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams(2023)]

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  • 状況: ポーランドにあるシステム会社で、航空会社向けのシステムとモバイルアプリを開発する 2 つのスクラムチーム。 COVID-19 で急に遠隔勤務へ移り、Microsoft Teams でイベントを開いていた。アクションリサーチの最初の診断で、一方のチームのスクラムマスターが、オフィスでのやり方と比べた変化を挙げた。
  • やったこと: そのチームは、デイリースクラムの終わりに、抱えている問題を話す時間を設けた。もう一方のチームは、開発者の時間を節約するため、スプリントレビューを 2 スプリントに 1 回にした。
  • 起きたこと: デイリースクラムは、各自が進み具合を発表するだけになり、オフィスでは欠かせなかった話し合いや情報の交換が少なくなった。終わりに問題を話す時間を設けても、たいてい沈黙が続いた。オフィスの会議では、まれなことだった。著者は、ほかのメンバーの反応が見えないためかもしれないとしている。変化を挙げたチームでは、スプリントレビューは、オフィスでは毎スプリント開き、見せられるインクリメントが無いときだけ取りやめていたが、遠隔では 2〜3 スプリントに 1 回になり、やがて時々開くだけになった。これらの変化への手当ての結果は、この時点では報告されていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: スクラムマスターの報告で、変化の程度は測られていない。全員が遠隔で働いていたチームの例で、出社と遠隔が混在するチームの例ではない。この後の周期で、会議の最後の要約やカメラを付ける対策が行われたが、デイリーやスプリントレビューの開き方の変化への個別の評価はない。
  • 根拠: アクションリサーチ/複数チーム。文献: Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams: Lessons Learned Through an Action Research Study(2023)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 3.1 The First Action Research Cycle。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Everyone presented their progress without much thought to any discussion or exchange of information”

対面の会話の代わりに増やしたオンライン会議と文書づくりが負担になり、欠席した人のための決定の記録と、話題ごとに分けたチャンネルを取り入れた [A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices…(2025)]

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  • 状況: 従業員が 1,200 人を超え、50 を超えるチームを持つグローバルなソフトウェア会社で、9 人のスクラムマスターを専門家のパネルにしたデルファイ法の研究。いくつかのチームがハイブリッドの形でスクラムを使い、社員は遠隔とオフィスの働き方を柔軟に選べた。
  • やったこと: チームは初め、対面のやりとりの代わりに、頻繁なオンライン会議を開いた。情報に誰でも触れられるよう、文書づくりにも力を入れた。その後、大事な話し合いを欠席した人のために残す決定の記録と、技術の議論・作業ごとの連絡・チーム全般の話題のように分けたチャンネルを使うようにした。任意参加の会も 2 つ足した。
  • 起きたこと: 頻繁なオンライン会議は、仕事を妨げ、効率が悪くなった。大がかりな文書づくりは時間がかかった。決定の記録と分けたチャンネルは、決まった形の連絡とくだけた連絡のつり合いをとるために取り入れたものである。著者は、遠隔のスクラムでの主な適応は、コミュニケーションの管理だったとしている。取り入れた後に、会議の負担や情報の行き渡り方がどう変わったかは測られていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 著者自身が予備的な結果としている。専門家の受け止めと合意で、効果の測定はない。1 社の 9 人の意見である。著者は遠隔とハイブリッドを区別せず同じ意味で使っており、出社と遠隔が混在するチームに固有の結果かは分からない。
  • 根拠: 調査(アンケート)/複数チーム。文献: A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices to Remote Work(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 3.1. Main Adaptations in Remote Scrum / 5. Conclusions。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Teams implemented segmented channels and targeted documentation to streamline collaboration while maintaining agility.”

遠隔・ハイブリッドのチームのスクラムマスターたちが、スプリントプランニングの前に準備の会を足し、デイリーを延ばしてチームの交流にも使う形を、合意した適応として挙げた [A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices…(2025)]

Section titled “遠隔・ハイブリッドのチームのスクラムマスターたちが、スプリントプランニングの前に準備の会を足し、デイリーを延ばしてチームの交流にも使う形を、合意した適応として挙げた [A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices…(2025)]”
  • 状況: 従業員が 1,200 人を超え、50 を超えるチームを持つグローバルなソフトウェア会社で、9 人のスクラムマスターを専門家のパネルにしたデルファイ法の研究。いくつかのチームがハイブリッドの形でスクラムを使い、社員は遠隔とオフィスの働き方を柔軟に選べた。インタビュー、追加の議論、リッカート尺度の質問票による合意づくりを経て、合意の強い所見だけを残した。
  • やったこと: 専門家が合意した適応の 1 つは、スプリントプランニングの前に、バックログのリファインメントにあてる「プレプランニング」の会を開くことである。長いオンラインの計画会議の疲れを減らすとされた。もう 1 つは、デイリースクラムを従来の 15 分の枠を超えて延ばし、チームづくりの活動を入れることである。
  • 起きたこと: 専門家は、プレプランニングで優先順位を詰め、バックログの理解を深めておくと、計画が効率よくなるとした。プレプランニングは対面の環境でも時々使われていたが、遠隔のチームで特に役に立つと述べた。延ばしたデイリーは、結びつき、参加、所属の感覚を強め、くだけた対面のやりとりが失われたことを補うものとされた。計画の効率やチームの結びつきが実際に変わったかは測られていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 著者自身が予備的な結果としている。専門家の受け止めと合意で、効果の測定はない。1 社の 9 人の意見で、統計的に一般化できない。著者は遠隔とハイブリッドを区別せず同じ意味で使っており(同じ場所にはいないが、オフィスで働く選択肢もあるチーム)、出社と遠隔が混在するチームに固有の結果かは分からない。パネルの多くは遠隔で働いていた。
  • 根拠: 調査(アンケート)/複数チーム。文献: A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices to Remote Work(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 2. Method / 3.3. Scrum Ceremonies Adapted to Remote。確認の根拠: 原典
  • 原文: “often extending beyond its traditional 15-minute format to include teambuilding activities”

顔を合わせる機会の不足を補うため、ゲームや雑談をするチームづくりの会を設け、ふりかえりにも遊びの要素を入れたが、ふりかえりのゲーム化には意見が分かれた [A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices…(2025)]

Section titled “顔を合わせる機会の不足を補うため、ゲームや雑談をするチームづくりの会を設け、ふりかえりにも遊びの要素を入れたが、ふりかえりのゲーム化には意見が分かれた [A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices…(2025)]”
  • 状況: 従業員が 1,200 人を超え、50 を超えるチームを持つグローバルなソフトウェア会社で、9 人のスクラムマスターを専門家のパネルにしたデルファイ法の研究。いくつかのチームがハイブリッドの形でスクラムを使い、社員は遠隔とオフィスの働き方を柔軟に選べた。
  • やったこと: 対面のやりとりの不足に対して、チームは専用のチームづくりの会を設けた。形はさまざまだが、ゲーム、くだけた会話、社交の活動を含むことが多く、「コーヒーブレイク」の時間を作った例が挙げられた。ふりかえりにも、参加と内省を促すために遊びの要素を取り入れた。
  • 起きたこと: チームづくりの会は、チームの結びつきと参加を高めるための適応として、専門家の合意に残った。ふりかえりの遊びの要素については、効果について専門家の意見が分かれ、ゲーム化がふりかえりの本来の目的をそらしかねないという懸念も出た。著者は、この点をこれからの研究の課題としている。チームの結びつきが実際に変わったかは測られていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 著者自身が予備的な結果としている。専門家の受け止めと合意で、効果の測定はない。1 社の 9 人の意見で、統計的に一般化できない。著者は遠隔とハイブリッドを区別せず同じ意味で使っており、出社と遠隔が混在するチームに固有の結果かは分からない。
  • 根拠: 調査(アンケート)/複数チーム。文献: A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices to Remote Work(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 3.3. Scrum Ceremonies Adapted to Remote / Table 1。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Some expressed concerns that gamification could detract from retrospectives’ core purpose”

今回読んだ範囲では、見つかっていない。

誰が何を受け持つかが曖昧なまま、出社組の負荷が高くなり、出社しないメンバーに苛立った [Agile software development one year into the COVID-19…(2022)]

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  • 状況: COVID-19 の流行下のアジャイル開発の実務者へのインタビューのうち、1 人の語り。ハードウェアを扱う仕事のように、オフィスでしかできない作業が残っていた。流行の始めには、誰が何に責任を持つのかがはっきりしていなかった。
  • やったこと: 本文は、この状況に対して誰かが何かをしたかどうかを書いていない。
  • 起きたこと: 結果の記述なし。 オフィスで働き続けたメンバーは、リモートで働くメンバーより負荷が高くなり、オフィスに来ないメンバーに苛立つようになった。著者は、これをチームの士気が下がった理由の 1 つとして挙げている。この状況への打ち手と、その結果の記述なし。
  • 注意点: 1 人のインタビューの語りで、苛立ちがどう表れたか、その後どうなったかは書かれていない。苛立ちの原因として本文が挙げているのは、作業の配分と責任の曖昧さで、特定の人の性格ではない。
  • 根拠: 事例研究/単一チーム。文献: Agile software development one year into the COVID-19 pandemic(2022)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 4.3.4 Teams(Teamwork)。確認の根拠: 原典
  • 原文: “The team members who still worked in office ended up with higher workload than those who worked remotely and became irritated on those who did not come to the office.”

会議を目的で出社か遠隔かに分け、出社日を会議で埋めないことが、話し合いの場と立ち話の両方を残す工夫になると、聞き取りから著者が整理した [Hybrid Work in Agile Software Development(2025)]

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  • 状況: フィンランドの通信機器メーカーの研究開発拠点で、週 2 日の出社を基本とするハイブリッド勤務をしている 2 つの部門を、27 人へのインタビューで調べた単一事例研究。部門、チーム、マネジメントの定例の会議の開き方と、その好みを尋ねた。
  • やったこと: 介入ではなく、会議の開き方の聞き取りから著者が整理したものである。例として、一方の部門は、誰でも話題を出せる会を、出社日の木曜に対面で 1 時間、遠隔の日の金曜にオンラインで 30 分の 2 回に分け、話題をどちらに入れるかを目的で選べるようにしていた。
  • 起きたこと: ブレインストーミングを含む会議は対面が良いと述べた人が 6 人、質問しやすいなどの理由で対面の会議を良いとした人も 6 人いた。一方で、大人数の情報共有の会議は、会議室の後ろから見るより、各自の画面とヘッドセットで聞くほうがよく伝わると述べた人がいた。対面の会議は会議室の予約で時間が区切られ、話題が終わらないことがあると話した人もいた。参加者は、会議の多くを出社日に入れると、会議の外で気軽に話す時間がなくなる問題を挙げた。特に予定が会議で埋まりがちなスペシャリストやマネージャーは、チームが出社している日に立ち話に応じられる必要があるとされた。著者は、話し合いや発案が要る会議は対面で、情報共有の会議は遠隔で開き、出社日に会議を続けて入れないことを勧めている。この勧めにしたがった結果は調べられていない(結果の記述なし)。
  • 注意点: 参加者の好みと著者の整理で、会議の開き方を変えた前後の比較や測定はない。ふりかえりを全員が参加できるよう遠隔で開いたとする別の研究とは結果が異なり、著者もその違いを指摘している。 1 社の 2 部門だけの調査で、結果が当てはまるのは似た状況に限られる。
  • 根拠: 事例研究/複数チーム。文献: Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings(2025)。文献の種類: 論文・研究者。位置: IV. RESULTS / B. Office Workspace and Tools / F. Community Meetings / H. Meeting Preferences / V. DISCUSSION / A. Organizing Recurring Meetings。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Organizing numerous back-to-back meetings on office days can hinder informal ad hoc conversations”

リモート・ハイブリッドのスクラムの実務者は、デイリーと計画は遠隔でも回るがレビューとふりかえりは難しいと答え、完全リモートよりハイブリッドのほうがスクラムに向くと受け止めていた(この設問は誘導の恐れがあったと著者自身が書いている) [Applicability of the Scrum Methodology in Remote Work…(2026)]

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  • 状況: リモートまたはハイブリッドでスクラムを経験した IT・ソフトウェア開発の実務者 52 人へのアンケート調査。完全リモートが 53.8%、ハイブリッドが 38.5% で、仕事をすべてオフィスで行う人は対象から外した。リッカート尺度の評定を、役割・働き方・経験で分けて見ており、自由記述は主題分析で分類している。
  • やったこと: 介入ではなく、リモートの働き方でのスクラムのイベント、コミュニケーション、会議の受け止めを調べたものである。
  • 起きたこと: デイリースクラムとスプリントプランニングは、遠隔でも効果的に開けるという評定が高かった。一方、スプリントレビューで十分なフィードバックが得られるか、ふりかえりで率直に意見を言えるかの評定は低めだった。ふりかえりで意見を言いにくいと答えた人は、ハイブリッドより完全リモートの人に多かった。スクラムのイベントを定期的に開いているという答えは、ハイブリッドより完全リモートのチームで強かった。会議が増えたという受け止めはハイブリッドと完全リモートの人で強く、出社の人は変化を小さく見ていた。会議が必要以上に長いという受け止めも主にハイブリッドと完全リモートの人から挙がり、出社の人はおおむね中立だった。自由記述では、21 人(40.4%)がデイリーが長すぎる、繰り返しが多いと答えた。ハイブリッドのほうが完全リモートよりスクラムに向くという設問への評定は、中程度から高めだった。チームの結びつきを取り戻すため、対面で集まる機会を増やす案が多く挙がった。
  • 注意点: ある時点のアンケートで、回答者は職業上のつながりなどから集めた便宜的な標本であり、結果は回答者の受け止めである。集計は割合と平均だけで、働き方の違いを統計的に検定してはいない。著者自身、一部の設問を言い切りの文で尋ねたため回答が引っ張られた可能性を限界に挙げ、その例に「ハイブリッドのほうがスクラムに向く」の設問を名指ししている。方法の節では、仕事をすべてオフィスで行う人は対象から外したと書く一方、結果では出社の人の回答を分けて示しており、本文の中で食い違っている。会議の長さは尋ねておらず、長すぎるという受け止めは評定と自由記述に基づく。ハイブリッドのチームでイベントをどう開いたかは尋ねていない。
  • 根拠: 調査(アンケート)/複数チーム。文献: Applicability of the Scrum Methodology in Remote Work Environments and the Challenges Encountered(2026)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 4. Materials and Methods / 5.2 Level of Scrum Implementation / 5.3 Effectiveness of Ceremonies in Remote Settings / 5.6 Time Management and Meetings / 5.9 General Evaluation / 5.10 Thematic Analysis of Open-Ended Questions。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Participants expressed the view that the hybrid working model is more suitable for the Scrum methodology compared to a fully remote working model”

出社と在宅が混ざる会議ややりとりは、全員が出社か全員が遠隔のときよりうまくいかないと受け止められ、その場にいる人の雑談だけで情報が回るおそれが指摘された [Agile software development one year into the COVID-19…(2022)]

Section titled “出社と在宅が混ざる会議ややりとりは、全員が出社か全員が遠隔のときよりうまくいかないと受け止められ、その場にいる人の雑談だけで情報が回るおそれが指摘された [Agile software development one year into the COVID-19…(2022)]”
  • 状況: COVID-19 の流行から約 1 年の時点で、リモートワークに移ったアジャイル開発の実務者に、アンケート(96 人)と、異なる 7 社の 7 人への半構造化インタビューを行った混合研究。多くは在宅で働いていたが、オフィスでしかできない作業のために出社を続ける人もいた。
  • やったこと: 介入ではなく、流行の前と比べた変化と、これからの働き方の希望を尋ねた調査である。
  • 起きたこと: 複数のインタビュー参加者が、一部の人がオフィス、一部の人が在宅という混ざった形のやりとりは、全員がオフィスか全員が遠隔のときほどうまくいかないと述べた。アンケートの回答者の 1 人も、出社と在宅の混在はうまくいかず、遠隔のチームは全員が遠隔なら機能すると考えていた。著者は、ハイブリッドの会議は参加者の間に溝を作ると考察している。その場にいる人は気軽に話せるが、遠隔の人は意図して連絡しなければならない。この差はメンバーの関係にも響き、次の会議で何を話すかや、誰がいつどこで働くかのような、その場の雑談で伝わる情報が遠隔の人に届かないおそれがあるとしている。それでも、インタビューの参加者の多くは、流行の後もハイブリッドで働きたいと答えた。1 人は、チーム全員が同じ日に出社する形を望んだ。オフィスの部屋を、チームがそろう日に集まるワークショップの部屋に変える案や、曜日ごとに特定のチームの日を決める案も出た。
  • 注意点: 流行の下で多くの人が在宅だった時期の調査で、出社と在宅が混在するチームを継続して調べたものではない。溝の指摘はインタビューと著者の考察に基づき、測定はない。ハイブリッドで会議をどう開けばよいかは、著者もこれからの課題としている。
  • 根拠: 調査(アンケート)/複数チーム。文献: Agile software development one year into the COVID-19 pandemic(2022)。文献の種類: 論文・研究者。位置: 4.3.2 Communication / 4.4.1 Workplace(Future Work) / 5.2 Employment of Agile Development and Ways of Working (RQ1)。確認の根拠: 原典
  • 原文: “Hybrid meetings are seen to be less effective and more challenging compared to meetings where all participants are either remote or onsite”
文献年ライセンス記録の数
Agile software development one year into the COVID-19 pandemic2022CC BY 4.02
A Delphi Study on the Adaptation of SCRUM Practices to Remote Work2025CC BY 4.03
Hybrid Work in Agile Software Development: Recurring Meetings2025CC BY 4.08
The impact of working from home on the success of Scrum projects: A multi-method study2023CC BY 4.01
Overcoming Challenges of Virtual Scrum Teams: Lessons Learned Through an Action Research Study2023CC BY 4.03
Applicability of the Scrum Methodology in Remote Work Environments and the Challenges Encountered2026CC BY 4.01

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  • 総合判定: ✅ 合格 (スコア: 100/100)
  • 評価の前提: 結論(TL;DR)を、このページに載せた事例と知見だけに照らして評価した
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  • LLM批判的評価(agy: gemini-3.8-flash-high): Faithfulness 5.0/5, Relevance 5.0/5

評価コメント:

  • Faithfulness(忠実性): 前提コンテキストに書かれている事実・限界(比較対照による効果測定がないこと、参加者の主観的受け止めや著者の整理にとどまること、調査対象における専任スクラムマスターの不在など)を極めて厳密に遵守しています。コンテキスト外の俗説や根拠のない断定、ハルシネーションは一切見られず、満点と評価します。 - Relevance(関連性): 「イベントの運営(対面と遠隔の目的別使い分け、ふりかえり・デイリーの開き方など)」および「チームづくり(出社日の揃え方、コーヒータイム、固定席化による偶発的対話の確保など)」という質問の核心に対し、前提コンテキストの情報を過不足なく整理して直接的に回答しています。 - 論理整合性とスクラムの観点: デイリースクラムの延長やプレプランニングといったスクラムガイドの基本形からの逸脱・適応事例についても、それを「公式な推奨プラクティス」として一般化せず、あくまで「各調査で報告された受け止めや適応例」として客観的に位置づけており、論理的に極めて破綻のない構成となっています。また、ハイブリッド特有の分断(オフィス組とリモート組の情報格差や負荷の偏り)というリスクにも的確に触れられており、実務的な示唆としても妥当です。