基本的心理的欲求 (Basic Psychological Needs)
基本的心理的欲求とは、自己決定理論(SDT)において人間の健全な機能、内発的動機づけ、およびウェルビーイングに不可欠とされる生得的な心理的充足要素である。伝統的に「自律性」「有能感(能力)」「関係性(親密性)」の3要素が中核として提唱されてきた。
近年では、他者や社会へ良い影響を与えている実感である「恩恵(Beneficence)」を加えた4要素が、文化を問わず仕事の意義や幸福感を高める重要な心理的基盤として位置づけられている。
自己決定理論に基づく研究において、人間が持続的にエンゲージメントや幸福を感じるための決定要因として実証されてきた心理的欲求である。
- 自律性(Autonomy): 外部からの圧力ではなく、自身の意志と選択によって行動を決定し、自己と一貫した行動を取っているという感覚である。
- 有能感/能力(Competence): 自身の活動において習熟度や有効性を実感し、課題を達成したりプロジェクトを遂行したりできる感覚である。
- 関係性/親密性(Relatedness): 他者とのつながりや配慮を感じ、コミュニティや組織への確固たる帰属意識を持っている状態を指す。
- 恩恵(Beneficence): 自らの仕事や行動が周囲や社会に対して肯定的な貢献をもたらしているというプロ社会的な影響実感である。
これらの欲求が満たされることで、従業員は仕事に内的な価値や意義を見出し、バーンアウトの低減や高いパフォーマンスの発揮につながる[1]。
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